産後骨盤矯正

妊娠3ヶ月から分泌される「リラキシン」の作用で、骨盤・恥骨結合部が緩みます。

妊娠中は赤ちゃんの重みがかかるため、骨盤が大きく広がります。
また、お腹の重心が前方に偏るため、反り腰にもなりやすいです。

そして、陣痛が始まるとリラキシンが大量に分泌されます。
骨盤の靭帯がさらに緩められ、赤ちゃんが通るための産道が確保されます。
出産時には恥骨結合部が大きく広げられ、本来逆三角形である骨盤が、四角形にまで変化してしまうのです。

産後2〜3日を目安にリラキシンの分泌は減少するとされます。
しかし、骨盤の開きはしばらく残った状態になり、骨盤底筋群の緩みから、さまざまな不調に繋がりやすくなります。
特に産後は、抱っこや授乳動作など骨盤に負荷がかかる姿勢が続くため、骨盤が元の状態に戻りづらくなっているのです。

産後の骨盤の開きやホルモンバランスの変化が、どう身体に影響を及ぼすのかは、次の項で詳しくご紹介します。

骨盤の底辺にあるインナーマッスル(骨盤底筋)は、出産に伴いトラブルが起きやすくなります。
女性は男性に比べて骨盤が広く、骨盤底筋の面積は広くなっています。
加えて出産時の「いきむ」という行為が、骨盤底筋にダメージを与えるのです。

また、出産に伴う女性ホルモンの分泌の減少によって、筋肉量も減少し骨盤底筋の弾力性が低下してきます。
さらに出産後は、骨盤が緩み内臓が動きやすい状態です。

骨盤底筋が緩んだり、縮んで硬くなったりすると、「排泄のトラブル(頻尿・尿もれなど)」や「子宮や膀胱などの内臓下垂・脱出」が起こる可能性もあります。
骨盤を整えることと同時に、骨盤底筋を鍛えてあげることも重要です。

●産後ホルモンバランスと、自律神経のバランスについて

産前産後は、ホルモンバランスの変化により、普段なら気にならない程度のことでイライラしたり、悲しくなったり、憂鬱になったりすることがあります。
出産時・妊娠中に分泌されていた「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの女性ホルモンが、胎盤とともに一気に体外に排出されてしまうため、産後は体内のホルモンバランスが急激に変化します。
この変化が、自律神経系に影響を及ぼし「育児の不安やストレス、疲労」が増幅されることもあります。

またエストロゲンは「発毛」に影響があるとされているホルモンです。
この濃度が急激に変化することも、「産後の抜け毛」の原因の1つとして考えられています。

産後骨盤矯正とは、妊娠・出産によって変化した骨盤を、元の状態に戻るよう矯正していく施術になります。
骨盤矯正とトレーニングによって施術は行なわれます。

●骨盤矯正

手技によって筋肉の緊張バランスを整えたり、関節に適度な圧を加えたりすることで、骨盤の位置を整えていきます。

関節や筋肉は強い刺激を加えると、防御反応で緊張する特性があります。
そのため施術は刺激の弱いソフトな力で行っていきます。

●トレーニング

骨格の位置を整えても、それを支える筋力が弱くなっていると維持できません。
そのため、当メニューでは楽トレを使用し、骨盤を支えるインナーマッスルを鍛えていきます。

楽トレとは、電気刺激によって筋収縮を起こし、筋力トレーニングを行う施術になります。
パッドを鍛えたい箇所に貼り、30分ほど横になっているだけで、深層のインナーマッスルまで効率的に鍛えられるようになっているのです。

受けていただく理想の時期は、産後1ヶ月〜6ヶ月になります。
しかし6ヶ月を過ぎても、リラキシンの作用が緩くなった骨盤・恥骨結合部が固まるまでの約1年間は産後ケアが有効な時期といえます。
※もちろん1年を過ぎたとしても、施術の効果は期待できます。

●肩こり・腰痛

産後骨盤矯正で骨盤が整えられると、上半身の緊張が緩和されやすくなります。
肩や腰まわりの血行が回復し、老廃物の排出が促進されることで、肩こりや背中のハリ感、腰痛といった症状の緩和が期待されます。

●体型の崩れ

骨盤矯正によって反り腰が改善されると、ぽっこりお腹やお尻のたるみなどが解消されやすくなります。
また、楽トレによって骨盤周辺の筋力（インナーマッスル）も強化されるため、脂肪燃焼の向上が期待されます。

●尿漏れ

骨盤底筋群の機能が回復すると、尿道をしっかり閉められるようになるため、尿漏れの改善を期待できます。

●肌荒れ

矯正によって骨盤の位置が整うと、子宮の圧迫が緩和され、ホルモンバランスも整いやすくなります。
そのことで、ホルモンバランスの乱れから生じる、肌荒れの改善が期待されます。

産後は女性ホルモンの分泌が減少するため、ホルモンバランスの乱れから、男性ホルモンが多く分泌されます。
男性ホルモンには、ニキビや肌荒れの元となる皮脂の分泌を活発にする働きや、毛穴を塞ぎやすくする働きがあるため、肌荒れを起こしやすくなると言われています。

●自律神経失調症（若年性更年期障害）

産後骨盤矯正によって、ホルモンの分泌や自律神経の状態も整いやすくなります。
そのことで、のぼせやめまい、動悸、発汗といった若年性更年期障害にみられる症状の改善が期待されます。

当院の産後骨盤の特徴は、

①骨盤を整える

骨盤矯正と聞くと骨盤しかやらないように思いますが、産後骨盤は骨盤だけでなく足から骨盤、背中までしっかりケアをします。
なぜなら妊娠中にお腹が大きくなることにより足が全体的にがに股になりお尻から足の外側に負担がかかるからです。
普通の骨盤矯正とは違います。

②骨盤を支えているインナーマッスルを鍛える

身体は整えるだけではいけません。
整えても骨盤や骨を支える筋力が低下しているとすぐに戻ってしまいます。
特に産後は出産でインナーマッスルがかなり落ちています。
楽トレをすることによりインナーマッスルを鍛えて骨盤や姿勢を安定させます。

③自宅でのトレーニング

週2回のケアだけですと足りません。
そこで患者様にも頑張っていただきます。
750種類のリハビリメニューから産後に必要なリハビリメニューを私たちが患者様に合わせて選び、リハビリの動画を患者様のスマホに送り、その動画を見ながらご自宅でリハビリをしていただきます。

当院の産後骨盤ケアはこの３本柱でしっかり産後のケアを行い、私たちと患者様の二人三脚で身体を良い状態にしていきます。

●骨盤をただ整えるだけでなく楽トレを使って落ちたインナーマッスルを使えるようにできる。

●自宅でやって頂く運動の動画をスマホに送り、その動画を見ながら行うので常に正しい姿勢で運動が出来る