アキレス腱炎

アキレス腱の炎症とは激しい運動、長時間の立ち仕事などでアキレス腱を酷使することで負荷に耐えられなくなり炎症を起こしてしまうものです。
アキレス腱の構造についてご説明します。

●アキレス腱とは

ふくらはぎには腓腹筋、ヒラメ筋という筋肉が存在し足首を下に曲げる、つま先立ちをするなどの役割があります。
この二つの筋肉は膝の近くからかかとに着いておりかかとの上部で筋肉組織から腱組織に変わります。
この腱組織がアキレス腱です。

アキレス腱炎はスポーツをされている方に多くみられます。
特に、ジャンプ動作や急な切り返し、走る動作などを伴うスポーツをされる方に多いとされています。
アキレス腱にかかる慢性的な物理的ストレスにより、滑走性が低下してしまっていることが多く
アキレス腱付着部に対して引っ張る力が強くなることで炎症が起こります。
根本からの改善が必要なため、スポーツ選手などにおいては、トレーニング方法、頻度、強度を改めて見直す必要があります。
また、アキレス腱炎には慢性的な足関節の不安定性も関与していることがあります。

アキレス腱炎の主な症状と原因についてご紹介させていただきます。

●症状

初期症状はアキレス腱周囲の軽い痛みです。
特に走っているときに痛みを感じることが多いです。
またアキレス腱の一部を押したり摘まんだりすると痛みが出ることもあります。
なかには起床時のこわばり、硬さを感じる場合もあり動き出してしばらくすると改善します。
軽度なものであれば1～２か月で改善しますが重度なものだと１年経っても改善しない場合もあります。

●原因

アキレス腱は酷使されることが多く、常に小さな断裂と再生を繰り返しています。
この小さな断裂がアキレス腱炎の原因と言え、運動による酷使との繰り返しと疲労の蓄積によって小さな断裂が発生します。
外的要因としてジャンプ動作、ダッシュなどのアキレス腱に繰り返し負担がかかるものがあり
内的要因として慢性的な足関節の不安定性のものもあります。

アキレス腱炎になってしまった際の注意点と対処法についてご紹介します。

●安静

アキレス腱炎になってしまった際はまずスポーツ活動を制限し安静にすることを第一優先とします。
発症原因がオーバーユース（使いすぎ）によるものですので痛みを放置して練習を続けても自然に回復することはありません。
進行すると最悪の場合アキレスけん断裂につながり手術をしないといけなくなります。
スポーツ活動を制限し安静にしている期間に自分に合ったシューズを探す、正しいランニングフォームを研究するなどの時間に充ててみるのもおすすめです。

●アイシング

アイシングは熱を冷まし腫れや内出血を抑えるのでケガの早期回復、疲労回復につながります。
１日一回、お風呂上りに10分～20分アキレス腱を冷やしてください。
また運動直後にアイシングをすることにより次の日に疲労が起こりにくくなります。

アキレス腱炎にならないための予防法と身体のケア方法についてご紹介します。
アキレス腱炎の一番の予防は、運動前後にしっかりケアをすることです。
ふくらはぎをよく使ったのにケアをせず、繰り返し運動を行ってしまうと、アキレス腱炎を引き起こしてしまうリスクがあります。

●ストレッチ

・運動前→ふくらはぎ周りの筋肉をしっかりストレッチし、筋肉の柔軟性を高めます。

・運動後→疲れを残さないよう、お風呂やマッサージなどでふくらはぎをゆるめます。

●アイシング

アキレス腱炎を発症していなくてもアイシングをすることでケガの予防にもつながります。
運動後は、身体に熱をもっている状態ですので15分～20分を目安にして氷のうなどで冷やしましょう。
インターバルをあけずにアイシングを続けてしまうと、患部の症状を悪化してしまう可能性があるため、無理のない範囲で行いましょう。